存在を表現するという事
十数年前
勤めていた事務所で携わったプロジェクト物件
遠方なので、退職以来 なかなか機会がありませんでしたが
方角が同じ仕事の合間
ちょっと遠回りして
訪ねてみました。
構造は鉄筋コンクリートですが
煉瓦の皮膚をまとった重厚な 駅前ホテルです。
「100年前からそこにある。そんな姿を創造して下さい。」
そんな クライアント の一言を記憶している。
6 種類の煉瓦を色味的に焼きむらが出来る様に依頼し
あえて乱暴に積んだ かの様に
出目地で表現してもらったのですが
高度な技術力を平均的に持っている日本人
さらに
丁寧な仕事をモットーにしている職人さんには
とても苦痛を与える作業でした。
しかし
十数年たった今
本物の素材は圧倒的な存在を示し。
職人の魂を吹き込まれた仕事は
あきらかに時代を超えるのだと
目の当たりにし
確信しました。
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